実務でts-jestを@swc/jestに置き換えてCIの実行時間を1/2に短縮した

2021年 12月 26日

この記事は YAMAP エンジニア Advent Calendar 2021 の21日目の記事です。

ts-jestの課題感

ts-jestを使っているとコンパイル時間の問題で地味にテストに実行がかかります。

YAMAPではフロントエンドでもユニットテストを書き始めたので、約180ケースで1分ほどCIでテスト実行に時間がかかるようになりました。
またTDDで開発を進めていると、開発中に非常に多くユニットテストを実行するので ts-jest の実行時間の遅さが開発効率に直結してきます。

そこで、ts-jest を @swc/jest に置き換えて、実行時間の改善を試みました。

導入効果

@swc/jest に置き換えた結果、CIでのユニットテストの実行時間が1/2に短縮されました🎉

変更前変更後
53s21s

@swc/jest とは

@sec/jest は Rust製の TypeScriptコンパイラーの swc を利用して作られた Jest の Transformer です。
個人的に感じる @swc/jest のメリットは次の点です。

  • swc が Rust製のため ts-jest(tsc) と比較して、高速に動作する
  • 設定を jest.config.js 内に書くことができるので、tsconfig.test.json のようにテスト用の tsconfig ファイルを持つ必要がない

ts-jest を @swc/jest に置き換える

まずはコンパイラー本体の@swc/coreと Transformer の@swc/jestをインストールします。

$ yarn install -D @swc/core @swc/jest

変更前のJestの設定ファイルはこんな感じです。

/** @type {import('@jest/types').Config.InitialOptions} */
module.exports = {
  preset: 'ts-jest/presets/js-with-babel',
  testEnvironment: 'jsdom',
  (省略),
  globals: {
    'ts-jest': {
      tsconfig: '<rootDir>/tsconfig.test.json',
    },
  },
};

これを @swc/jest を使うように変更します。
設定ファイル内に swc の設定を追加して transform を @swc/jest を使うように修正しています。
また、tsconfigは不要になったので globals の設定ごと削除しています。

swc の設定項目についてはコメントに記載してあります。詳細は公式ドキュメントを参照ください。

/** @type {import('@swc/core').Config} */
const swcConfig = {
  // ソースマップの出力を有効にする
  sourceMaps: true,
  module: {
    // JestがCommonJSでモジュールを読み込むのでCommonJS形式で出力する
    type: 'commonjs',
  },
  jsc: {
    parser: {
      // TypeScriptとしてコンパイルする
      syntax: 'typescript',
      // Reactのコンポーネントをテストしたいのでtsxのコンパイルを有効化
      tsx: true,
    },
    transform: {
      react: {
        // React の JSX トランスフォームの指定
        // Reactインポートの手間を省略するために React17 から導入された 
        // _jsx(react/jsx-runtime) の形式にコンパイルする
        runtime: 'automatic',
      },
    },
  },
};

/** @type {import('@jest/types').Config.InitialOptions} */
module.exports = {
  transform: {
    '^.+\\.(t|j)sx?$': ['@swc/jest', swcConfig],
  },
  (省略),
};

コンパイラーが異なることによる懸念

babelで設定を書いている影響でプロダクションのコンパイルは引き続き tsc を使用しており、テストとプロダクションの実行環境でコンパイラーが異なる状況になってしまっています。コンパイラー依存の問題でテストでは正常に動くみたいな事が起こる可能性はあるかもとという懸念は少し持っています。

ただ、それによるバグが起こる可能性はかなり低くテスト実行の速度向上による開発効率化の方がメリットが大きいと判断しているので、そこは許容範囲かなと考えています。

さいごに

思ったよりもスムーズに導入ができて特に問題が発生することもなく、今までと変わらずにテスト実行が使い続けれているので、導入して良かったです。

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